謎…というと大げさかもしれませんが、ルノルマンカードについては、いまだにはっきりとした事実がつかめていないことがいくつかあります。

たとえば、ルノルマンその人についても、「マドモアゼル・ルノルマン(またはルノルマン嬢、ルノルマン婦人)」「マダム・ルノルマン(またはルノルマン夫人)」と、日本語でもいくつかの呼び名があります。これは、ルノルマンが生涯独身だったのかどうか、という点がいまひとつ曖昧で、一度結婚して離婚し、その後は独身だった、という説などもあるためでしょう。

ただ現在は、ルノルマンは一度も結婚することなく生涯独身を貫いた、というのがヨーロッパでは一般的な理解のようですから、そうなると「マドモアゼル・ルノルマン」または「ルノルマン婦人」という呼び方が正しいということになりますね^^

そして、ルノルマン婦人は(当時としては当然ながら)子供を持つこともなかったので、その占いの手法やカードなどがどのようなものだったのか?を直接示せるような「証拠」が残っていないのも事実。

実際の占いではルノルマン婦人は、当時一般的だったプレイングカード(トランプ)を使っていたということが、彼女に相談した何人かの人々の手記や手紙に記されているので、占い師としての現役時代には少なくとも、今わたしたちが持っているような36枚の「ルノルマンカードデッキ」を使っていたわけではないのは、確かなようです。

ではこの「ルノルマンカード」はどのようにしてできたのか?

ルノルマン婦人はもともとエッティラに傾倒し、また詩人として社交界デビューすることも目論んで(笑)いた、当時としてはかなりやり手のビジネスウーマンだったともいえ、また、彼女が現在のルノルマンカードに見られるような、熊や蛇や船などのシンボルを手書きしたカードを所有していた、と書き残している人もいて、おそらく、これらのカードの原型はルノルマン婦人の手によるものであろうと考えられます。

スタインバック女史によれば、フランスの著作権事情は非常に厳格で、商業目的で出版社などが無断で「ルノルマン」の名を使うことは不可能とのことですから、「ルノルマンカード」がルノルマン婦人の手からまったく離れたところで作り出されたというのは実際考えにくいことです。

ルノルマン婦人以前に世にあったタロットカードなどは78枚あり、その哲学構造なども実はかなり複雑ですが、ルノルマンカードの素晴らしい所は、一枚のカードにつきシンボルは一つ、それがたったの36枚で、恋愛、結婚、仕事から、運命や過去世、ミディアムシップ(亡くなった人との交信)など幅広いテーマを占えることです。

このシステムがすべて一からルノルマン婦人によるものだとすれば、婦人はカード占いの天才といえるでしょう。