20番「庭園」と21番「山」のコンビネーション
この2枚のカードをコンビネーションとして解釈する時のコツをお教えします。
まず、あまり良いといえない例。
- なんとなく悪くなさそうな「庭園」の効用を
- 「山」が邪魔しているので
- なんとなくよくない
これでは、あいまいな良し悪しくらいしか導き出せません。
この2枚のカードには、「問題解決に導くアクション」がちゃんとあります。でも、どちらもそのカードの中ではすぐに解決するわけではありません。むしろ、「急いではいけない」というのも大事な共通点です。
解決や願望達成という結果よりも、その前に経験して知るべきことがあると、2枚のカードが教えてくれています。それぞれのカードの導きをスルーせず、 時間をかけて 向き合えば、しかるべき時に結果は自然に現れてくる、と読みます。
(時間の必要性は「山」がわかりやすく強調していますが、「庭園」のカードにも、必要な時間を惜しんではいけないという意味合いが隠れています)
「庭園」は経験と学びが主題です。
時に、庭園で何かの催しがあってめまぐるしく人が行き交うこともありますし、それも「庭園」のカードの重要な一面です。でも、ガーデンを行き交う人々は通常、通り過ぎる人々です。
ちょっとショッキングな言い方をすると、「そこにいる誰も、あなたのことなど本気で心配してはいません」。
「庭園」にもし多くの人がいたとしても、単なる社交の場でしかないのです。
庭園は根本的な問題を見出すには良い場所で、解決のヒントや指針を得るところまでは期待できます。時には運命的な出会いもあるでしょう。でも、「いつか自分が変わらない限り本当の問題は解決しません」。
なぜ「問題」があると?
それは、「山」があるからです。
山は修行の場。本当に大きな山は、人間を超越してる
山は立ちはだかる壁です。
これも乗り越える云々よりも「そこで自分を鍛える」充電や鍛錬の場です。
充電は実は山の効用のひとつで、本物の山にはまず必ず自然があります。その自然のパワーは「木」の比ではありません。
「山」のカードは、よく、道が塞がれているとか、動けないとか、困難を示すとされます。確かに、このカードがあるので、今すぐすんなり先に進む、ということはおそらくできません。
横に出たカードによっては、ただ大人しく待っていれば時間が解決してくれるというケースもあります。
今回は「庭」。直接の解決の前に、試みるべきことがあるよ、と教えてくれています。
宮殿の庭園と、田舎の果てにそびえる山
対照的なくらい、まったく違う場面です。が、カードの意味を深く理解してから見直してみると、それぞれのカードからこんなメッセージが聞こえてきます。
- 「庭園」でやみくもに「社交」して疲弊するのでなく、問題や解決の糸口をちゃんと見出すこと。
- 「山」を無理に乗り越えようなどと思わず、じっと腰をすえて今できることに集中すること。
この2つの教訓を並べてみると、2枚のカードが異口同音に共通のメッセージを教えてくれていることがもうわかりますね。これがコンビネーションの醍醐味なのです。
コンビネーションのコツ
この記事全体の流れで、ちょっと伝わったかな?
最初から無理にこじつけて1つの文にしようとしなくていいのです。
2枚のカードの組み合わせの表などを暗記する必要もありません。目安として組み合わせの意味を2,3行ずつ書いてくれている解説書も(ヨーロッパにはよく)あります。でも、自身がそれぞれのカードの意味を深く理解していないと、そこに書かれている(一例でしかない)言葉にとらわれて、かえって真相が見えなくなるので気をつけて。
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