「鎌」と「魚」。吸収される意味の解決法(後編)

[鎌]と[魚]コンビネーションbyナオミ・ノアのルノルマン占い

前編の話を思い出しましょう(実は前後編、同時投稿なんですけど)。

「魚」の意味合いの中に「鎌」が含まれてるじゃん、

という話をしていたのですね。

そう、こういうことは、カード占いではよくあります。

カードのたくさんの意味の中には、相互に共通した意味合いも多々あります。
共通の意味合いに着目するリーディング手法・手順ももちろんあります。

ただ、今回のように、「鎌」のカードを「断ち切ること」として読むだけだと、その意味がそっくりそのまま「魚」に吸収されてしまうので、

「鎌」が出た意味って、なくない?

という素朴な疑問が浮かんできてしまうのです。

こういう時はどうしたらいいかといいますと。

「さらに違う意味を探る」必要が出てきます。

わざわざ、「魚」の前に「鎌」が出た意味は?

「別になくてもいいよね」というカードは、出ないという前提で読むことが、カード占いの醍醐味です。(厳しい言い方をすると、醍醐味というより鉄則です)

「鎌」を見て(せっかく!)パッと思いついた「何かを断ち切る」という意味が、しゅるるっと「魚」に全部飲み込まれてしまったわけです。(なんてこと!)

そうなったら、

「魚」にはない、

「鎌」の意味で、しかも、

この2枚の流れにスムーズに「はまる」意味を掘り出します。

視点を変える

「鎌」の用いられる場面や、鎌は道具ですから、そもそも人はなぜ「鎌」を使うのかを考えます。

解説書を漁って意味を探し回るのも悪くありません。でも、それはけっこう最終段階ですし、解説書はあくまで情報でしかありません。ググってみても同じことです。

ですから、正解かどうかは結局、自分が判断しなければなりません。

それよりは、まず、占いをやる上で絶対必要な「柔軟な感性」をもっと活用しましょう。上に書いたみたいに、「鎌」の姿を、鎌を使う場面を、鎌そのものの存在する意味を、上下左右、過去現在、イメージする、考えるのです。

鎌のもうひとつの意味

収穫に時あり

旧約聖書の『伝道の書』に、こんな一節があります。

植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、

(聖書 口語訳『伝道の書』第三章二節)

自然の恵みに、もともと「時(=定められた時期)」がある、ということです。


農業では、人が鎌を入れないと、麦の穂は地に落ち秋まで土に埋もれてしまいます。

あるいは、鳥に食べられ遠くへ運ばれるに任せる事になります。

実りを確実に収穫するには「時がある」。
流れに乗って新しい未来へ踏み出すには「時がある」。

ルノルマン占いでは、それが「鎌」の出た時なのです。

  • 切り捨てないと全体が朽ちる、収穫しないと価値を下げてしまう何かがある、ということ。
  • さらに、今、まさにその「時」が来ているということ。

「魚」は放っておいても、成長すれば、守られた入り江を卒業して、いつか大海に泳ぎだします。勝手に、または自分のやりたい時に、自然と過去を断ち切ります。
けれど、占って今、「鎌」が「魚」の前に出たということは、

それが今だ(自然にそうなるのではなく、あなたがその時を自覚するのだ)

ということなのです。

個々の占いではいろいろな解釈が

もちろん、個々の占いでは、具体的な状況に応じてその場にしっくりくる解釈があるものです。

読まれているあなたがこれまで占いの中で見つけてきた解釈を、否定するのではありません。わたしはそんなコワイ先生ではありません!

鎌(=刃物)と魚でお刺身がパッと浮かんだら、「その人が板前さんだった」ということもあるかもしれません(笑)。

そんな極端でなくても、例えば、
「自分らしくない夢を諦めて(鎌)、本当の自分を見つける(魚)」

といった場面もあるかもしれません。

本当の自分を探すための新たな道程は、よく旅に例えられますが、「魚」は旅行のカードでもありますから。

こうした連想、関連でぴったりな意味が天から降りてくることもあるでしょう。

今回のお話は、誰でもいつでも、インスピレーションに頼ることなく、間違いのない解釈に行きつくための道しるべを示したのです。

ルノルマンに限らず、カード占いは、カードが出た時点でそれは「言葉が示された」のですから、言葉はある程度までは素直に理性的に読んでみるのが良いと思います。

ただ、カード占いの「言葉」普段話している日本語やその他の話し言葉ではなく、「絵」や「記号」で示された言葉なので、解釈するには「カードという言葉」の仕組みや基本の習慣や、コツを身につけておくと楽チンなのです。

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